個人事業主はフリーランスと異なる概念

個人事業主という概念は、法人と対比される税法上の区分です。

個人事業主は税務署に開業届を提出することにより、確定申告で税金の控除や専従者給与といった優遇措置を受けられます。

しかし、個人事業主は労働の対価として給与を払う雇用主がいません。

雇用契約を結ばない個人事業主には、労働基準法が適用されないのです。

個人事業主になるには開業届さえ出せば良く、法人設立に欠かせない登記は必要ありません。

これに対して、フリーランスは税法上の区分ではなく、単なる働き方を指しています。

フリーランスは特定の企業と雇用関係を築かず、さまざまな顧客から受けた仕事をこなして報酬を得る働き方です。

IT業界で働くフリーランスなら、企業からプログラミングやシステム構築の仕事を委託されて作業を行います。

働く場所は自宅で作業に取り組むパターンもあれば、企業に出向して社員とともに社内で作業をする場合もあるでしょう。

したがって、特定の企業と雇用契約を結ばない個人事業主は、フリーランスに含まれることもあります。

フリーランスの場合は個人事業主だけでなく、法人として登記することも可能です。

法人登記には法務局への届け出が必要ですが、厳格な審査はなく準則主義といって適正手続きを踏めば必ず法人登記が認められます。

また、中には開業届を提出せず、青色申告の恩恵を受けないフリーランスもいるようです。

ただし、開業届を出さなくても確定申告は必要で、怠れば追徴課税処分を受けることになります。